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有限会社太雅の代表取締役、鷲尾太一が
高級賃貸マンション「ルナ」シリーズを手掛けておよそ20年。
それらの中で、自らの基点とも言うべき「ルナガーデン」。
このマンションの設計者、瀬戸本淳氏と久し振りに再会し
「ルナガーデン」について語っていただきました。(この記事は2004年取材の記事です。) |
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| ●鷲尾 |
先生、ご無沙汰しております。久し振りの「ルナガーデン」はいかがですか。 |
| ○瀬戸本 |
状態が非常に良いですね。メンテナンスが行き届いてきれいです。 |
| ●鷲尾 |
ありがとうございます。「ルナガーデン」ができた当時から思えば、街も大きくなりました。 |
| ○瀬戸本 |
そうでしたね。当時を思い出しますと、白川台に50m四方の大きな土地がぽっかりと空いていた。ここに、どんなものを建てれば良いか、思案をしたことを思い出します。 |
| ●鷲尾 |
当時、熱く先生と、色々なお話をしたことをよく覚えています。800坪もの広大な土地にどのようなコンセプトのマンションを建設するのか・・・ |
| ○瀬戸本 |
ちょうど建物の中心に吹き抜けがありますでしょう。そして、その周囲に回り階段がある。これが、云わば建物における精神的な核です。そこから、両サイドにウィングが突き出ている形状をしています。
外壁のタイルには、特に思い入れがあります。多くのタイルを使用してきましたがこのタイルが大好きです。実は、御影の美術館や、私の自宅にも同じものを使用しています。 |
| ●鷲尾 |
住んでいる方自身が、住まいとしての建物を感じ、そこに暮らし続けることに意味を感じていただきたかったんです。 |
| ○瀬戸本 |
一つの家に住み続けることは、世界では珍しいことではありません。50年、100年住みつなげることは当たり前なんですよ。日本が特別で短すぎるんです。200年、300年だって珍しくない。日本人が味わったことのない世界でしょうね。その中で住み続けることが一つのステータスだったりもします。 |
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| ●鷲尾 |
まさに「文化」が息づいています。 |
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| ●鷲尾 |
「ルナガーデン」に、ツインタワー計画があったことをご存知ですか。 |
| ○瀬戸本 |
いいえ、初めて聞きました。いかにも鷲尾さんらしいですね。 |
| ●鷲尾 |
僕は、もともと広告の仕事をしていましたので、何か人を驚かすことが好きなんです。 |
| ○瀬戸本 |
鷲尾さんほど自分のキャラクターを発揮されているオーナーは珍しいですよ。だって、住んでいる人がみんな知っていますから。 |
| ●鷲尾 |
マンションという形は、古くは長屋。いくら近代化されても、住むのは「ひと」なんですね。
ちょうど僕の仕事は、大使館のようなものだと思っています。「病院はどこ?」「おむつはどこで買えるの?」
「安い市場はどこ?」。みんな困った時に、気軽に相談に乗ってくれるところが必要でしょう。僕は、これが、本来のオーナーのあるべき姿だと思っています。入居したらオーナーは知らん顔では、ダメだと思います。 |
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| ○瀬戸本 |
しかし、維持管理を含め、相当やられましたよね。 |
| ●鷲尾 |
そうですね。ある日、入水層が壊れたんです。入居者の方から連絡をもらって駆けつけたら僕が一番最初だった。業者が来るより早く、みんなと協議してすぐに対応しましたね。 |
| ○瀬戸本 |
クレームに対する対応が早いことが鷲尾さんの一番の特徴ですよ。 |
| ●鷲尾 |
僕らの動きは明快です。業者はみんなオリンピック。すなわち競争なんですね。
誰と競争しているかというと、僕となんです。だから、すぐには信用しない。末端まで、息がかかった人ばかりでマンション運営をしています。このことが、業者同士で注意をしてくれることになり、結局、入居者の方々へのサービス向上につながると信じています。 |
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| ●鷲尾 |
「ルナガーデン」は、先生の特徴や癖がいっぱいありますよね。 |
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| ○瀬戸本 |
そうですね。一般の分譲物件では、コスト面から許されないことがいっぱいあるんです。 |
| ●鷲尾 |
「物を創る」ということには、凄くエネルギーが必要です。 |
| ○瀬戸本 |
その通りです。例えば、「ルナガーデン」は、初めから「ひとが住む」という事で設計をしました。これは、「空間の取り方」というテーマに直結します。今いるこのお部屋を例に取りますと、構造上、梁がどうしてもあるわけですが、その部分を間接照明に逆に利用し、開放的な感覚を演出しました。 |
| ●鷲尾 |
その意味で、分譲物件以上に、先生が熱心に作りこまれた作品と言えますね。 |
| ○瀬戸本 |
私にとっては、ある意味原点とでも言うべきでしょう。 |
| ●鷲尾 |
僕は、瀬戸本文化は「ルナガーデン」で花開いたと思っています。 |
| ○瀬戸本 |
お互いに若かったですから。 |
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| ●鷲尾 |
「白川台のルナガーデン」とタクシーの運転手さんに伝えると行ってくれるんですよ。 |
| ○瀬戸本 |
特徴のある造りをしていますからね。皆さんが覚えやすいんでしょうね。 |
| ●鷲尾 |
そうですね。もう一つ大切なことは、間違いなくここに住んでいる人がいるって言うことです。 |
| ○瀬戸本 |
住んでいる方には、物件と鷲尾さんのイメージがぴったりとして、長く住んでいただいているんでしょうね。 |
| ●鷲尾 |
嬉しいことだと思います。結果、「ルナガーデン」に「文化」が誕生し「創造」してくれている入居者がいる。つい先日、「私はここで死にたい。」なんていうおばあさんまで現れました。 |
| ○瀬戸本 |
私も嬉しいですね。確実に「文化」が根付いている「ルナガーデン」は、鷲尾さんのお城ですね。 |
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最後までにこやかに対談されたお二人の会話には、施主と設計者という関係ではなく、何か暖かいものを感じる関係でした。
「ルナガーデン」はこの地のランドマークとして、
また未来に向けてさらなる文化価値を創造して行くと思います。 |
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